医療コラム
水虫について
みなさんこんにちは、さくらクリニック医師の安部です。
今日は8月6日(木)、ご存じの通り先週ダナンで99日ぶりの市中感染が発生したことにより、ベトナムにコロナ第2波到来かも、という心配が広がっています。実際当クリニックも、保健省(日本の厚労省に相当)の指示により一部診療を制限せざるを得ない状況になっています。スーパーやレストランなどでもマスク着用を指示されることが多くなっていますので、改めて3密(密着・密閉・密集)には注意が必要です。ちょうど夏休みの時期でもあり、旅行を計画されている方も多いかと思いますので、大使館や信頼できる機関が発信する情報を適宜取り入れるなどして、今後の動向にご注意ください。
さて、今日は水虫を取り上げます。夏になると湿度が高くなり、足がジクジクしたり、かゆいという症状を訴えて受診される方が増えます。中には、水虫ですと断言されて受診される方もいます。でも、本当にそれは水虫なのでしょうか?
水虫という名前から、「足の指や指の間」が「ジクジク」していれば反射的に水虫だと思ってしまうのは当然かもしれません。しかし、足がジクジクする病気はたくさんあり、必ずしも水虫とは限りません。水虫といって受診された患者さんの3分の1が実は水虫ではなかったというデータもあります。また意外に思われるかもしれませんが、テレビCMなどでよく言われる水虫がかゆいというのも誤解です。多くの場合、水虫はかゆくありません。かゆい場合は別の病気を念頭に置く必要があります。
そして我々医師が一番困ってしまうのは、とりあえず市販の水虫の薬を塗ってみたが、改善しないので受診する、というケースです。実は水虫の薬は刺激性が強く、そのせいでかぶれることがしばしばあります。つまり、水虫の薬を塗って水虫は治ってきているが、その薬のせいでかぶれてしまったのか、そもそも水虫でないから水虫の薬が効かないのかがわからなくなってしまうのです。
水虫の診断には顕微鏡での検査が必須です。足の皮膚を採取し、30分程度で結果が出ます。但し、上で書いたように先に水虫の薬を塗ってしまっている場合、顕微鏡の検査で正しい判断ができないことが多くなるため、いったん別の薬を使ってもらい、後日改めて受診してもらって顕微鏡の検査をすることになります。
なお当地でのこれまでの診察では、公共の場所を裸足で歩く状況、例えばジムやプールに行かれた方が水虫になるケースが多いようです。行った後には必ず足を洗うなど、予防することもお忘れなく。