医療コラム
麻疹について
まずお知らせです。昨年(2018年)5月より、クリニックのあるTrinh Cong Son(チンコンソン)通りは、金曜日の17時以降と、土・日曜日終日が歩行者天国になっていました。そのため当該時間帯には当クリニック専用の電気自動車を導入し、患者様の送迎を行ってきました。しかし、今年(2019年)1月より歩行者天国の時間が短縮され、土曜日の18:00-23:00と、日曜終日のみとなりました。この変更でクリニックの診療時間への影響がほぼなくなったことから、特にお子様を中心に人気の高かった電気自動車ですが、残念ながら廃止となりました。今後は従来どおり、クリニック正面までお車でお越しいただけます。
さて、今日ははしか(麻疹)のお話です。実は最近、ベトナムの一部地域ではしかが流行しており、当クリニックでも診断された患者様が発生しました。日本では以前は主に子供の病気でしたが、国のワクチン政策が奏功(風疹との混合ワクチンとして1歳時と小学校入学前の2回接種)し、子供ではほとんど見られなくなりました。一方で、ワクチン未接種の大人には免疫のない方が結構います(一般に、過去にはしかになったことがある人は十分な免疫があります)。ついこの1月には三重県で集団感染が発生しており、ニュース等でご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
【症状】10~12日の潜伏期間の後、発熱や咳などの症状で発症します。38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感、上気道炎症状(咳、鼻水、くしゃみなど)、結膜炎症状(結膜充血、目やに、光をまぶしく感じるなど)が現れて次第に強くなります。この間に、口内炎を訴える方もいます。そして、こういった症状が出てから数日後に発疹が出現します。発疹は頚部、前額部から出始め、次第に顔面、体幹部、上腕、四肢末端にまでおよびます。発疹が全身に広がるまで、熱は続きます。
※この写真のような派手な発疹が全身に出現します
(当クリニックを受診された患者様のものではありません)
このように、発症時点では風邪との区別がつきにくく、発疹が出て初めてはしかであることがわかることが多いため、集団感染がおきやすいのです。また、はしかのウイルスは空気中を浮遊するため、マスクでの防護策があまり効果的でなく、これも集団感染がおきやすい理由のひとつです。
はしかを防ぐ最も効果的な方法は予防接種です。ワクチンを接種していればかなりの確率で免疫がついているといえますが、予防接種を受けたかどうか覚えておらず、かかったこともない方は、この機会に血液検査で抗体をチェックされてもいいかもしれません。
さて、今日は2019年1月28日、来週からはテトということで、当クリニックも2月3~10日まで休診となります。日本に帰国される方、旅行に行かれる方も多いと思いますが、お体に気をつけて楽しい休暇をお過ごしください。