医療コラム
『”もち”をのどにつまらせた!!』
みなさんこんにちは、さくらクリニックの安部です。
私がこれを書いているのは2017年12月19日、今年もあと少しで終了です。年末に向けてお仕事が忙しくなっている方も多いことでしょう。学校や幼稚園が休みになってお子様方が喜ぶ一方で、そのお世話をするお母様方は何かとせわしなくなっていることと思います。さらにハノイは急に寒くなって、体調を崩されている方も多いようです。さすがに年末年始は短いながらもお休みの方が多いと思いますので、休めるときにしっかり休んで、お体に気をつけてお過ごしください。
さて、今日はちょっと重々しいトピックですが「窒息」を取り上げます。日本人のお正月に欠かせない「おもち」、ベトナムにお住まいでも多くの方は何らかの手段でおもちを手に入れ、召し上がることと思います。そして、松の内の新聞でよく見かけたのが、おもちを喉に詰まらせてお亡くなりになる高齢者のニュースです。当地にお住まいの方は比較的若い方が多いのであまり身近なニュースではありませんが、お子様がいるご家庭では必ずしもそうは言っていられません。日本ではおもちに限らず喉に何かを詰まらせて亡くなるお子様は年50人、決して少ない数ではありません。そこで、今日はいざ周りの人が何らかの異物を喉に詰まらせたらどうするか、というお話です。私がつらつらと文章で書くより、非常に判りやすいホームページがあるのでこの場でご紹介させて頂きます。
http://jspp1969.umin.jp/ind_img/cc03.pdf
ポイントは、1歳未満か1歳以上かで応急処置のやり方が異なる点です。秒単位の対応が迫られる状況ですので、誰かに頼るわけにはいきません。皆様ご自身である程度の知識をお持ちになることをお勧めします。
ちなみに、「1歳以上の幼児」に行うと書かれているハイムリック法は、大人の方にも使う方法です。ハイムリックはこの方法を考案した米国の医師の名前で、つい昨年までご存命でした。ハイムリック医師は96歳でお亡くなりになる半年前、自身が入所していた高齢者施設で、ハンバーガーを喉に詰まらせた女性入所者に自らこのハイムリック法を行い救命した、という驚くべきエピソードがあります。
https://jp.reuters.com/article/heimlich-save-woman-idJPKCN0YL06H
最後に、1年間どうもありがとうございました。さくらクリニックのスタッフを代表して御礼申し上げます。それでは皆様、良いお年をお迎えください。