医療コラム
『眠れないんです?!』
新年明けましておめでとうございます、さくらクリニックの安部です。本年もさくらクリニックを宜しくお願い申し上げます。
2018年のスタートにあたり、1点お知らせです。当クリニックにはこのホームページの他にFacebookのページもあるのですが、昨年末から歯科の鈴木衛生士がブログを更新しています。クリニックのニュースやキャンペーンのお知らせだけでなく、彼女自身のハノイ生活や身近な出来事などもアップ予定で、私のコラムより気楽な内容になっています。ちょっとした空き時間にでも是非ご覧ください。FacebookのURLは以下の通りです。
https://www.facebook.com/SakuraClinicHaNoi/
さて、今日は「不眠」を取り上げます。実は不眠でお困りの方は結構多く、厚労省の調査では日本人成人の5人に1人、つまり1500万~2000万人の人が不眠に悩んでいると推計されています。当クリニックでは純粋に不眠だけで受診される方はあまりいませんが、診察中のなにげない話の中で、「そういえば…」という感じで不眠を訴える方は結構いらっしゃいます。要因はいろいろあるようです。日本では眠れないなんてことはなかった、という方はベトナムでの生活が関係しているのかもしれません。新しい仕事を覚えなければいけないプレッシャー、生活習慣や文化が違うベトナム人スタッフとの協調に伴うトラブルは想像に難くありません。また単身赴任の方であれば、日本に残してきた家族が無事に生活しているか心配は尽きないでしょうし、女性の方はホームシックだったり、日本食や、愛用の化粧品など日用品がスムーズに手に入らないストレスなどなど、可能性を考えるときりがありません。
そんなときどうしましょう?環境を変えるのが一番ですが、仕事を辞めるわけにもいきませんし、帰国するわけにもいきません。アルコールが好きな方は寝酒をしますか?眠りが浅くなるのでその場しのぎにしかなりません。睡眠薬を使いますか?これもそのうち効かなくなることが多く、また常用してしまうと中止するときに体調が悪くなることがあります。最近ではそういった副作用が起きにくい薬も使われていますが、その分効果は弱めなようです。
ストレスは軽減できなくても、日常生活習慣を改善するだけで不眠が改善されることは意外に多いようです。私が診察している中で、特に気になるのが以下の3点です。
(1)寝る前のテレビ、パソコン、スマホ
光刺激により眠気を誘発するホルモンの量が減る。
(2)昼寝
時間は30分以内、遅くとも15時までには起きる。
(3)カフェイン
コーヒーや紅茶、緑茶などを飲み過ぎない。また夕方以降は麦茶やハーブティー、アーティチョーク茶などカフェインの入っていないものにする。
あと、生活に一工夫を加えてみましょう。
(1)カーテンを開けたままで眠り、朝は太陽光が自然に室内に入るようにする。
早朝に光を浴びると夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになる。
(2)適度な運動をして体を疲れさせる。
ほどよい肉体的疲労は心地よい眠りを生み出す。
(3)眠れないときは布団の中でがんばらず、一旦起きる。
本を読んだり音楽を聴いたりしてリラックスすると眠気が誘発される。
これでもダメならお薬を使ってみましょう。当クリニックでは不眠の程度や性質などを考慮して3種類の睡眠薬を準備しています。なお、睡眠薬は飲めば勝手に眠くなるものではありません。寝る準備をして、あとは布団に入るだけという状況を作ってから飲んでください。飲んだからあとは眠くなるまで何かしていよう、では効き目はありませんので、ご注意を。