医療コラム
『夏風邪が流行しています』
ベトナムはジメジメ、、、
(Rat ẩm .Very wet )
夏風邪が流行しています。
今号は夏風邪についてお話します。
日本で夏風邪の代表選手といえば、、、、、
咽頭、結膜熱(プール病)、ヘルパンギーナ、手足口病ですよね。
☆まずは病気を知ってください☆
疾患名 |
潜伏期間 |
症状 |
感染力 |
咽頭、結膜熱(プール病) |
5~7日 |
高熱、充血、眼脂 |
アデノウイルスが原因ですがこれは感染力が強く、アデノウイルスの混じった唾液が他のお子様の鼻、喉、目の粘膜に付着して感染します。症状がなくなっても2日は家で安静にする必要があります。 |
ヘルパンギーナ |
2~5日 |
高熱、口内炎、口内に水泡や水ぶくれ、口蓋垂(のどちんこの事)に炎症症状 |
エンテロウイルス(コクサッキーA,B郡など)が原因でこれも喉に感染し腸で増殖し全身へ広がっていきます。高熱は約3日で解熱しますが、強い倦怠感や関節の痛みなども伴う為、大人の発症のケースでは高熱が発症している間は仕事なども控えたほうが良いでしょう。 |
手足口病 |
2~7日 |
発熱(38度以下が多い)、口内、手背、手掌、足の指の間、足底を中心に赤い水疱 |
エンテロウイルスが原因。一旦身体の中に入ったウイルスは喉に2週間、便に4週間にわたり検出されるといわれていますがその間学校を休む必要はありません。熱が下がり口の痛みが治まれば登校してよいとされています。しかし、まれに重症化することがありますので早めに受診しましょう。 |
ベトナムでは腸チフス また、年中インフルエンザに悩まされます、、、、。
腸チフス(Typhoid fever)、、、免疫のない人がアジアに渡航した場合、渡航者1000人あたり0.3人が感染するとされています。腸チフスはサルモネラ属の細菌が原因です。異物や病原体を食べて、10~14日の潜伏期間を経て、不快感や食欲不振、筋肉痛を伴う発熱(39℃~41℃)が出現します。腸管からの感染症というと、下痢をすると思われがちですが、成人では便秘することがあります。また、熱の割に脈拍数が少ない(=比較的徐脈)という現象が見られます。患者の20%で、胸部、背部、腹部にサーモン~紅色の斑点が出現します。また、この時期に15~20%の患者 で、腸から出血したり、腸に穴があく(腸穿孔)ことがあり、死に至ることがあります。回復後も、再発したり、胆嚢内に菌が住み続け、便への菌の排泄がつづく慢性保菌者(キャリア)になることがあります。脳炎や髄膜炎を起こすこともあり、適切な治療を受けなければ20%以上の死亡率である、と報告されています。
*重症度や経過のスピードは、体内に入った菌の量によって異なります*
心配な方はワクチンを接種することをお勧めします!!!
そしてインフルエンザ、、、“インフルエンザウイルス”によって引き起こされる感染症です。日本ではA型インフルエンザ(香港A型とソ連A型)とB型インフルエンザのあわせて3つの季節性インフルエンザと夏にも罹患する新型インフルエンザがありますが、ベトナムでは夏、冬関係なく罹患される方が多く見受けられます。インフルエンザにかかると38℃以上の急な発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの全身症状が強くあらわれ、あわせて鼻水、咳、のどの痛みなどの症状もみられます。高齢の方、基礎疾患(呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病、腎機能障害等)を持つ方、妊娠中の方、乳幼児は、気管支炎、肺炎などを併発し重症化し、最悪の場合は、死に至ることもあります。特に新型インフルエンザの場合はその危険性が増します。そのため「インフルエンザかな?」と思われる場合は、早めに医療機関を受診して、適切な治療を受けるようにしましょう。
日常生活における予防法
- 人ごみを避け、外出時にはマスクを着用しましょう。
- 帰宅時には「手洗い」「うがい」をしましょう。
- 栄養と休養を十分にとりましょう。
- 室内では加湿と換気をよくしましょう。
感染を広げないためには咳エチケットを!!!
-
咳やくしゃみをしているときはマスクを着用しましょう。
(マスクは説明書をよく読み正しく着用しましょう。) - 咳やくしゃみをするとき、マスクを着用していない場合は、ティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
- 鼻水・痰などを含んだティシュは感染を広げないよう破棄しましょう。
☆インフルエンザの流行を拡大させないためにも、家庭内で感染を防ぐことが重要です☆
家族の看護のポイント
- 患者さんを、できるだけ家族とは別の個室で静養させましょう。
- 看護した後は、手洗い、うがいを徹底しましょう。
- 患者さんだけでなく、看護する方もマスクを着用しましょう。
インフルエンザ検査
インフルエンザの検査は、鼻腔の拭い液、咽頭の拭い液などを採取して、迅速検査キットなどで調べます。検査にかかる時間は、早いもので15分です。A型とB型を区別できるものが使用されています。しかし、検査結果が陰性(マイナス)だからといって必ずしもインフルエンザにかかっていないとは言いきれません。ウイルス量の少ない初期には「偽陰性」となることがあります。
登校、出社について
インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)を除く)は、第2種学校感染症に指定されており、出席停止の期間は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」となっています。
ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません。(学校保健安全法施行規則第19条)
インフルエンザの流行を拡大させないためにも、主治医と相談の上、登校日を決めるようにしましょう。出社については、インフルエンザにかかった後は体力が落ちていることもあるので、無理せず十分に回復してから出社するようにしましょう。周囲への影響を考えると登校の条件と同じように考えましょう。
新型インフルエンザは、熱が下がった3日後でも40%以上の人にインフルエンザウイルスが残っていることが報告されています。そのため、咳などの症状が続いている場合は、マスクをしたりティッシュで口元を覆うなど、周囲への配慮(咳エチケット)をお願いします。
風邪かな?と思ったら早めの静養、栄養補給に努めてください。
もし「インフルエンザかな?」と思われる場合は、早めに医療機関を受診して、適切な治療を
受けるようにしましょう !