医療コラム
新型コロナウィルスについて 第2報
今日は2020年2月10日(月)、先週アップした第1報から約1週間が経過しました。患者数が増加の一途をたどり、クルーズ船での感染が拡大するなど、連日関連するニュースが報道されています。しかしこの間に、医学的に証明された新しい事実はほとんどありません。一方、新型コロナウイルスに感染した患者を日本で実際に診察した医師らが発信する情報が少しづづ入ってきています。先週私がコラムで書いた新型コロナウイルス患者の症状「鼻水やくしゃみ、のどの痛み、頭痛などの症状はあまりなく…」、という点については、初発症状としてこういった症状を伴う方は少なからずいるようで、結局のところ症状だけから感染の可能性を疑うことは難しい、というのが医師の間での共通理解になっています。
そうは言っても心配な方はいると思いますし、今や武漢との関わりだけで感染を否定するのは難しいほどの拡がりをみせています。強いて言うなら、(1)1週間以上続く発熱や長期にわたる倦怠感がある、(2)過去にかかったいわゆる風邪やインフルエンザとは違う感じがある、方に関しては、感染を疑ってもいいかもしれません。
予防に関しては、1に手洗い、2に手洗い、3、4がなくて5に手洗いです。心配が頭をよぎったらまず手を洗いましょう。マスクは、感染していない人にとっては、人ごみに行かない限りはそれほど重要ではありませんが、誰しも感染している(けれど症状がない)可能性はあり、他人にうつさないという点で意味があるので、是非して頂ければと思います。また人ごみを避けるという意味では、不要不急の出張、旅行、外出は避けた方がいいでしょう。最近はどこの空港でも体温チェックを強化しています。結果的に普通の風邪であっても、発熱や咳があれば入国拒否につながりかねない状況ですので、私自身も今月下旬の日本の学会への参加をとりやめました。皆様もお気を付けください。