医療コラム
『インフルエンザB型って何?』
(2017年)5月下旬から、当地ではインフルエンザが再流行しています。今回の流行の特徴は、インフルエンザB型が多いこと。で、B型って何?っていう質問を結構多く受けましたので、今回はインフルエンザの型についてご説明します。
実はインフルエンザにはAからDまで4つの型があります。ただ、C型は軽い風邪症状を呈するのみでかつ流行はしないと考えられています。また、D型はウシの間で流行しヒトには感染しないと考えられているため、問題になるのはA型とB型の2つです。
世間一般で「インフルエンザ」といったときに問題になるのは多くの場合A型です。なぜなら、A型には理論上200種類近い亜型があり、さらに同じ亜型の中でも微妙に形を変えることによって、ヒトの感染防御システムである免疫から逃れて生き延びるやっかいなウイルスだからです。
ちなみに、上述の亜型の変化はフルモデルチェンジ、同じ亜型の中での微妙な形状変化はマイナーチェンジとたとえられます。フルモデルチェンジは数年から数十年に一度、マイナーチェンジはほぼ毎年起こります。「新型インフルエンザ」と言ったときには、このフルモデルチェンジのことを指します。
一方で、B型にはこの亜型がなくマイナーチェンジのみなので、A型ほどの感染力はありません。しかしそうは言ってもインフルエンザウイルスなので、毎年流行期を作ります。日本では一般にA型が真冬に流行し、冬の終わりから春にかけてB型が流行する傾向にあり、今回に関してはベトナムでも同じ状況のようです。
さて肝心の症状ですが、基本的にA型でもB型でも同じです。細かいことを言えば、A型が急激に発症する一方でB型はゆっくり発症する、とか、B型では腹痛や下痢などお腹の症状が出やすいことなどがあります。治療も基本的には同じになります。
あと最後になりますが、インフルエンザの際のお子様の登園、登校基準に関してです。当地の日系幼稚園、学校の多くは日本の法律に準拠してルール化しています。
(1)発症後5日(発症日を0日とする)
(2)解熱後3日(小学校以上は2日、解熱日を0日とする)
いずれか遅い方まで出席停止
なお、幼稚園によっては登園許可に関する医師の診断書を求められる場合があります。当クリニックでは、当クリニックでインフルエンザと診断した患者様に対しては診断書を無料で発行しておりますので、遠慮なくお申し付けください。